日別アーカイブ 2010年10月1日

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アンケート・データからの消費者セグメントの発見

顧客の実際の購買履歴データから購買行動のパターンをセグメント化するには,ViscoveryのSOM(自己組織化マップ)テクノロジーをお薦めします.
また大企業が定期的に行っているな大規模なアンケート調査データから消費者のセグメントを発見するということにもSOMは役に立ちます.
しかしながら,アンケート調査データというのは,なかなか曲者です.よくある問題は,(1)「良い」(2)「まあま良い」(3)「普通」(4)「やや悪い」(5)「悪い」というような段階的な尺度で回答する場合にあります.このような場合,回答者によってクセが出ます.ある人は,おもに(1)から(3)のポジティブな範囲で,ほとんどすべての設問に回答していたり,別の人は(2)から(4)の中間の範囲であったり,また別の人は(3)から(5)のネガティブな範囲だったりします.
結果として,多くのアンケート調査データは,普通に集計すると,ある設問にポジティブな回答をする人は,別のどの設問にもポジティブな回答をしているし,また逆も真なりの結果となります.このようなデータをもとにして「○%の人が「良い」と答えました」という調査結果をまとめることにどれだけの意味があるのか?という疑問が出てきます.さらに,クロス集計をやって,さらにコレスポンデンス分析をやってマップを描いたとしても,推して知るべし,です.
こういうことに疑問を持つ人は,至極まともな感覚の持ち主です.もし,まったく疑問を感じないとしたら,あまりに鈍感だと言わなければならないでしょう.いわゆる「お役所仕事」というのは,そういう人たちによって推進されているわけです.実際,お役所に限らず,多くの大企業,場合によっては専門の調査会社でさえ,こういうレベルの分析でお茶を濁しているのが実態ではないでしょうか.
つまり,分析の方法をもっと工夫しなければならないのです.
構造方程式モデルによるセグメンテーションの発見は,こういう問題の1つの解決策になりそうです.構造方程式モデルには,大別すると共分散構造分析(LISREL)とPLSパス・モデリングがあります.前者の方は,すでにメジャーな統計ソフト・ベンダーが販売しています.したがって,現在のところ,市場では「構造方程式モデルといえば,共分散構造分析」という状態になっております.
歴史的には,共分散構造分析の方が,PLSパス・モデリングよりも少し早く提案され,実用化・商業化も先に進んできたわけですが,近年,PLSパス・モデリングの開発が進んできて,かなり使えるものになってきました.その先頭を走っているのが,XLSTATを開発・販売しているAddinsoftです.
共分散構造分析とPLSパス・モデリングを比べると,それぞれ長所短所はあるあるわけですが,PLSパス・モデリングを推し進める最も基本となっている理由は,共分散構造分析がハード・モデリングである(すなわち,分布の仮定が厳しく,より多くのデータを必要とする)のに対して,PLSパス・モデリングは,ソフト・モデリングである(分布の仮定がゆるく,ごくわずかのデータでモデルが作れる)という点です.
今年の夏に,XLSTAT-PLSPMにREBUSというセグメンテーションの機能が追加され,PLSパス・モデリングの実用的価値が飛躍的に拡大しました.これの結果を弊社がお薦めしているViscoveryのSOMで可視化して見ると,見事に上記のようなアンケート調査データの問題を克服して,より有用なセグメンテーションの発見ができていることが,手に取るようにわかります.
その結果はまた改めて,論文形式のコンテンツとしてまとめる予定です.