月別アーカイブ 3月 2014

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自己組織化マップとベイジアンネットワーク

Hugin 8.0では、ダイナミック・ベイジアンネットワークによるタイムスライス・システムの推論がサポートされました。オブジェクト指向ネットワークを用いると、同様なことは従来からできるにはできたのですが、これが格段に簡単にできるようになりました。
マインドウエア総研としては、これを利用して、自己組織化マップ(SOM)とベイジアンネットワーク(BN)を併用したソリューションの展開をさらに推し進めて行きたいと考えております。マインドウエア総研の強みは、SOMデータマイニングのトップランナーであるViscovery社と、ベイジアンネットワークのパイオニアであるHugin社の両方と密接な関係を長年築いていることです。これらの技術をミックスすることで、他社にはできない問題解決を提供することができます。
SOMによるセグメンテーション・モデル
SOMによって複雑なデータのセグメンテーション・モデルをスマートな形で実現できます。たとえば、さまざまなセンサーの計測値からプラントの運転状態とか、自動車の走行状態、あるいは人間の健康状態などを判断するモデルを作成できます。もちろん、顧客の購入履歴やWebの閲覧履歴から顧客をセグメンテーションすることにも利用されています。
こうして作成されたセグメンテーション・モデルを実行システム(業務システム)に展開するには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、Viscovery社が提供するViscovery One(2)One Engineで判断を実行する方法です。これは毎秒10万件の決定(判断)が可能です。もう1つは、Viscoveryで作成したセグメンテーション・モデルを、HuginのBNモデルに翻訳して、Hugin Decision Engineで推論を実行する方法です。
Viscovery One(2)One Engineの場合は、判断を実行する際に使用するデータに欠損値が少なく、高速な処理が求められる場合に向きます。Hugin Decision Engineの場合も欠損値が少ないほど、より正確な推論が可能なことは言うまでもありませんが、欠損値が多い(得られる情報が不確定な)場合でも、確率的な表現によって、それなりの結果が得られるというメリットがあります。
ダイナミック・ベイジアンネットワークによる時系列予測
SOMやニューラルネットワークでも、計測値の時間的変化を一定幅の時間でスライスする”時間窓”と呼ばれるテクニックを用いて、予測モデルを作成する方法はよく知られています。たとえば電力需要の変動を曲線のパターンによって予測しようとする論文がいくつも出ています。しかし残念ながら、単一の系列の曲線パターンだけで予測を行うそれらの研究には、あまり科学的根拠がないと言わざる得ません。
SOMを使用する場合は、やはり複数の計測値からシステムの状態を判断するモデルを作成する方が適切な使い方です。それらの計測値が時々刻々変化していくとき、各時点の状態がSOMのマッチング・ノードとして現れます。すなわち、時々刻々、SOMのマップの上をマッチング・ノードが移動していきます。
SOMの上では、マッチング・ノードが移動することで、状態遷移を観察することができるのですが、このSOMモデル自体には”時間”の概念がありません。そこで、この状態遷移をダイナミック・ベイジアンネットワークで表現すればよいわけです。
これにより、過去から現在の複数の時間ステップでの状態から、次の時間ステップでの状態をダイナミック・ベイジアンネットワークにより、確率的に推論することが可能になります。
多変量データの時間的変化から未来を予測したい問題をお持ちの企業様は、ぜひマインドウエア総研にご相談ください。

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Hugin 8.0リリース

March 25, 2014: New release – HUGIN 8.0 より
HUGIN ソフトウェアの新バージョン (v8.0)がリリースされました.このリリースの主な新機能は、ダイナミック・タイムスライス・ベイジアンネットワークの導入です。
タイムスライス・システムに関するベイジアンネットワークを用いた推論をサポートするための機能が、バージョン8.0の一部として導入されています。これは、時間窓をスライドさせるダイナミック・タイムスライス・ベイジアンネットワーク(DBNs)の考え方と、この時間窓での演算(時間窓内での信念の更新、時間窓をまたぐ予測、時間窓を前に移動させることなど)を導入します。DBNは、ダイナミック・タイムスライス・システムをHuginソフトウェアでのモデルとして表現することを可能にします。DBNは、一時クローンという新しいタイプのノードを用いて指定されます。ノードの一時クローンは、前の時間ステップでの対応するノードの表現です。一時クローンを用いると、モデル中に表現された(タイムスライス)システムのダイナミクスを反映して、ある時間ステップから次の時間ステップへの遷移確率分布を指定することができます。
HUGIN Graphical User Interface v8.0
HUGIN Graphical User Interface が、さまざまな新機能で改良されました:
– さまざまな演算をサポートするダイナミック・ベイジアンネットワーク(DBNs) 。
– リンク・グループが導入されました。リンク・グループは、ノード・グループと似ています。ユーザーは、各グループがそれぞれの色を持つようにリンク・グループの集合を定義できます。これは、任意のネットワーク内のリンクをカラー・コードすることを可能にします。
– ネットワーク統計ダイアログが導入されました。これは、ネットワーク内のノード、エッジ、パラメータなどの数を表示します。
– CG ノードの平均および分散の値を生成するための数式を定義することが可能になりました。
– その他、マイナーな改良。
そして、HUGIN Graphical User Interfaceの性能を向上させるための作業がなされました。
HUGIN Decision Engine v8.0
HUGIN Decision Engineが下記の機能で拡張されました:
– さまざまな演算をサポートするダイナミック・ベイジアンネットワーク (DBNs)。DBNs は、Web Service APIを除くすべてのアプリケーション・プログラミング・インターフェース (APIs) で利用可能です。
– 区間タイプのノードが、上限と下限の値が等しい区間(ゼロ幅の区間、または点区間)を持つことができるようになりました。これは、区間ノードのポイント値を定義することが重要な場合に便利です。
– Visual Studio 2013用のサポート。
– Web Service API のリファクタリング。Web Service API の内部が、このAPIの性能を向上させるために書き直されました。
– HUGIN web service API用のJavaScriptで最適化機能が導入されました: 1.) スクリプト・エンジンが、HUGIN web service ホスト・プロセスの内側で利用可能になりました。 2.) スクリプト・エンジンが埋め込まれたホスト・プロセスへのリモート・プロシージャ・コール。 3.) 単一の HTTP リクエストへの副次効果を持つバッチング・ファンクション・コールのサポート。