公的研究機関および国公立大学のお客様へのお願い

投稿者:Kunihiro TADA

公的研究機関および国公立大学のお客様へのお願い

研究者の皆様がソフトウェアを調達する場合、ご自身の研究におけるデータ分析の内容に応じて、どのような分析手法が必要であるか判断され、またご自身のデータ分析やコンピュータに関する知識やスキルに照らし合わせて、最適なソフトウェア製品を探して選択されているかと存じます。
研究者の皆様が時間と手間をかけてソフトウェア製品を選択されて、いざ調達部門に調達の請求を行ったところ、「その製品は調達できないから他の製品を検討するように」との回答を受け取られることはないでしょうか?
もし、そのようなことがあった場合は、そこで諦めてしまわずに、ぜひ発売元の会社にご相談ください。(XLSTAT, Viscovery, Huginについてはマインドウェア総研へ)発売元から調達担当者様に連絡を取ります。
なぜわざわざこのようなお願いをするかと言いますと、公的機関の調達が現在とても混乱した状態にあるように見受けられるからです。
ご承知のように2012年(民主党政権下)に、防衛省と三菱電機の不正が発覚し、一旦、「公共調達の適正化」への機運が高まりました。しかしながら、そこで1つ対応に誤りがありました。つまり、「随意契約が不正の原因」という間違った判断のもとに、狂気のごとく入札や相見積の義務化が強化されました。本当は、その前に「特定の仲介業者とばかりの」がつけられるべきだったのです。
当時、弊社も官庁や国公立大学向けの販売で、商品を1つ販売するごとに複数の出入り業さんに見積書を書かされて大変な思いをしました。もちろん、出入り業者さんもご苦労されたと思います。わずかの金額の調達にも、何社もの会社の、何人もの人々が右往左往しなければならないという異常な事態でした。
実際そんなことは続けられないので、しばらくして随意契約が再び緩和される方向になってきました。政権が民主党から再び自民党に変わったことも、これと無関係ではないかもしれません。
弊社では総務省に相談をして、総務省が出したガイドラインでは、国内に販売者が1社のみで、またその技術サービス等をその会社が提供している場合は、その会社から直接購入することができる、という特記事項があることを知りました。それ以来、弊社はすべての公的機関に対して、弊社の製品を直接販売のみで提供しております。
これでしばらくは上手く行っていたのですが、ここ数年(安倍政権になってから)、また流れが変わってきたように感じています。有り体に言えば、その昔に完全に戻ってしまったような状況です。つまり、公的機関の調達担当者と特定の出入り業者だけで随意契約をし放題というモラル崩壊の状態です。もちろん、それは一部の機関、一部の調達担当者だけのことではあります。
本来であれば直接販売の商品に関しては、その発売元に直接問い合わせをするべきなのですが、一部の調達担当者様は馴染みの出入り業者に一括して調達を依頼する傾向が強まっています。
発売元にとってみれば、これまでどの機関とも直接の取引ができてきたのに、ここにきて出入り業者を間に挟まないと、公的機関に製品を提供できないというのは、どうもあまりにも理不尽なことです。
ソフトウエア製品をエンドユーザー様に選んでいただくに至るまでに、我々発売元はそれなりの経費と時間をかけております。製品自体を開発したり、あるいは開発元が海外の場合は、日本語のユーザー・インタフェースやマニュアルを制作したりするのはもちろんのことで、さらに、
– ウェブサイトで統計解析に関する情報、ソフトウェア製品に関する情報を提供
– Google AdWords等に広告費を支払ってウェブサイトに見込み客を誘導
– ソフトウェア製品のトライアル期間を設けて無償で提供
– トライアル・ユーザーの質問への回答、ユーザー・サポートの提供
などを行っています。それなのに、公的機関の調達担当者に呼び出されて調達を依頼されてきただけの出入り業者さんに、我々が投資したり働いたりした分の利益を横取りされるのではたまったものではありません。以前は出入り業者同士の相見積で競合していたので、出入り業者さんもそれほど強気ではなかったのですが、現在は堂々と随意契約しているので、自分たちが特権階級であるかのような横暴ぶりです。
そのような出入り業者さんからのお問合せに、「直接販売ですので直接お問合せくださるように」と回答すると「それなら(うちが販売可能な)他の製品を購入するようにお勧めするから」と言われてしまう始末です。
現在、公共調達がとてもいびつな状態に陥っています。調達担当者の一存で、特定の民間企業に不当な競争優位性を与えることは、明らかな職権濫用です。各政治団体、市民団体には、大規模な不正ばかりではなく、日常的に行われている公共調達での慣習の不透明性にもぜひメスを入れて頂きたく存じます。
そもそも「出入り業者」という言葉があって、特定の会社だけが官庁への出入りを許されて、日常的に優位な取引が行われること自体をなくさなければなりません。インターネットの時代にそんな商取引は必要ありません。
エンド・ユーザー様におかれましては、組織内部の慣習に流されることなく、研究に必要なソフトウェアであれば、ぜひ堂々とその調達をご請求頂けますようお願い致します.

投稿者について

Kunihiro TADA administrator

マインドウエア総研株式会社・代表取締役。テクニカル・ライター、技術翻訳家、技術評論家。1982年より理工学出版社で情報通信/ニューメディア等の技術者向け先端技術セミナーの企画・運営に従事。LANをはじめ今日のITの基礎となる技術テーマの多くを取り扱った。1985年より大手コンサルティング会社で、先端技術分野の技術動向分析業務に従事。1986年に開催したAIチップ・セミナーは、ファジィ推論チップ等の当時の最先端のAI技術を国内に紹介して、国内のファジィ・ブームのトリガーとなった。1990年から技術評論家として、マルチメディアおよびCG関連の解説記事を執筆。1994年からはインターネットに活動基盤を移し、海外とのビジネスを開始。2000年よりViscovery、2003年よりXLSTAT、およびHuginのパートナーとなる。現在は東京を離れ、岡山に拠点を置いている。かつては産業界のブームを次々とビジネスのネタにしたが、現在はソフトウェアのライセンス販売に注力して、スローライフを決め込んでいる。                               これまでの経験から痛感することは、「人間のやることは、よくて3割程度しか当らない。ブームに寄り集まる人々はほぼ間違いなく成功しない。ビジョンがないからだ。彼らを相手に商売をすると、一時的に成功したかに見えるときもあるが、気づかないうちに自分も同類になっているだろう。流行を追ってはならない。他人がやらないことをやれ。腹の底から『本物だ』と思えることに専念するのが本望だ」