XLSTAT急成長

投稿者:Kunihiro TADA

XLSTAT急成長

現在、世界中で30万人以上の人々がXLSTATの使用経験を持ちます。先行する他社製品にはまだまだ及びませんが、少なくとも学術用統計解析ソフトウェア市場の一角を占める存在になりつつあることは間違いありません。日本市場は世界市場の中での比率が相対的に縮小しており、現在では世界市場の5%に届くか届かないかというぐらい希薄な存在感となってしまっているのですが、それでも日本国内でのXLSTATユーザー数も堅調に増加しています。現在、1日に10人程度のペースで日本での新しいユーザーを獲得しております。

マインドウエア総研としては、2000年からViscovery SOMineの取り扱いを始め、長年にわたってSOMアプローチのデータマイニングを事業の中心に据えて参りました。2003年にベイジアンネットワークのHuginと提携を開始して、SOMとベイジアンネットワークにおいて世界的なトップランナーの技術を日本市場に提供する役割を担って参りました。

XLSTATも2003年から提携を開始したのですが、正直なところ、当初はXLSTATにはそれほど重きを置いておりませんでした。それから15年の年月が流れて、気が付けばマインドウエア総研の売上でのXLSTATの占める割合がViscoveryを抜いてトップに躍り出る状況となってきました。

今、世間はディープラーニングをはじめとする機械学習ブームであり、大学や研究機関の人たちがここぞとばかりに予算獲得のために「シンギュラリティ(技術的特異点)」という言葉まで持ち出して、SFめいた未来のAIに関する夢物語を世間に流行らせて、多くの企業や人々がそれに夢中になっている状況です。

ディープラーニングも重要な技術の1つではありますが、それだけではまだまだシンギュラリティとやらに達するほどの技術革新が出揃ったことには絶対になりません。少し頭を冷やす必要があるかと思います。かつて日本は、第五世代コンピュータという壮大な国家プロジェクトに失敗しています。関係者はそれを失敗とは認めていないのでしょうが、客観的には大失敗だったと言わざる得ません。第五世代コンピュータのコンセプトは、if~thenルールを高速に実行することに特化したハードウェアを開発することにあって、その時点ですでに世界の先端的研究からすると周回遅れの発想でしかなかったのです。そして、今脚光を浴びているディープラーニングも、人工ニューラルネットワークの世界では昔からある手法に過ぎません。

SOMやベイジアンネットワークというのは、80年代の当時、日本人がまったく気づいていなかった新しいアプローチをヨーロッパ人が示したものです。この30年間は、これらの技術が実用的な知的情報処理を地道に提供してきたわけです。AIブームに狂奔する人々から見ると、ディープラーニングこそが最先端で、もはやこれらの技術は時代遅れにさえ映っていることでしょう。しかし、SOMやベイジアンネットワークの技術も、この30年間で着実に進歩しております。製品として実現されているものは、初歩的な教科書に載っているレベルよりもはるかに先を行っております。

マインドウエア総研としては、これまで長年、SOMとベイジアンネットワークの最優良技術を提供してきたプライドを持ちつつ、現在の浮薄なAIブームとは距離を置く方針です。私のこれまでの経験(狭い経験かも知れませんが)から言えることは、ブームに巻き込まれている人々の大部分は見当はずれなことに熱中しており、そうした人々と仕事をしてもよい結果は得られないからです。したがって、AI関連の展示会等のお誘いにも乗りません。ブームに便乗して一儲けしようなどとは考えません。坦々と我が道を行くのみです。

現在の機械学習技術で話題になっていることのほとんどは、我々が十数年前から地道に提供し続けております。

幸いにしてXLSTATがマインドウエア総研の経営安定化に貢献してくれているので、当面はこれに頼りながら、次の新しい技術を発見することに力を注いで参りたいと考えます。

 

 

 

投稿者について

Kunihiro TADA administrator

マインドウエア総研株式会社・代表取締役。テクニカル・ライター、技術翻訳家。1982年より情報通信/ニューメディア等の技術者向け先端技術セミナーの企画・運営に従事。LAN間接続(インターネットの始まり)や電子メールなど、今日のITの基礎となる技術テーマを取り扱った。1985年より大手コンサルティング会社で新製品・新事業開発のコンサルティングに従事。とくに1986年に開催したAIチップ・セミナーは、ファジィ推論チップ等の当時の最先端のAI技術を国内に紹介して、AI/ファジィ・ブームの契機となった。1990年からフリーランスのテクニカル・ライターとして、マルチメディアおよびCG関連の解説記事を執筆。1994年からは活動基盤を出版からインターネットに移して、1997年には「脱東京」を果たす。2000年にViscovery SOMineを翻訳し日本代理店となる。2003年よりXLSTAT、およびHuginの日本代理店。