見直されるViscovery SOMine

投稿者:Kunihiro TADA

見直されるViscovery SOMine

ここ数年吹き荒れたディープラーニング&AIブームで、弊社が推しているViscoveryは影の薄い存在になっておりましたが、ここにきて再評価されつつあります。

結局のところディープラーニングもそう簡単なものではありません。たくさんのパラメータ設定を試行錯誤しなければならず、それでいて、ディープラーニングで生成されるモデルを人間が理解できないという致命的な欠点があることに、多くの人が気づきはじめたようです。

もちろんGoogleのようなシステム開発力のある企業にかかれば、ディープラーニングを使って、これまでに存在しなかったようなアプリケーションやサービスを産み出すことも夢ではないでしょう。しかし、多くの企業が必要としているのは、そんなことばかりではありません。ほとんどの企業が解決するべき課題は、伝統的な機械学習や統計手法でとっくに実現されていたことばかりなのです。

すでに2000年頃には、そうした技術が出そろっていたのですが、そのユーザーとなるべき企業の人々の頭の中がそれに追いついていなかったので、せっかくの技術が有効に産業利用されるには至らなかったわけです。そこにディープラーニング&AIブームが起きて、人々の意識がこちらに向いてきたことは、結果的に良いことでした。

ディープラーニングを使えば、いわゆる「特徴エンジニアリング」と呼ばれるデータ加工を経ずにモデルを構築できるとされるのですが、一方、SOMに代表されるような従来的な手法では、その工程が欠かせないばかりか、それこそが成功のカギになります。

SOMを使ったデータ・モデリングの過程は、ユーザーにとっては「データ理解」そのものです。人間が人間である限り、多次元データを把握することは不可能です。SOMによる多次元データの可視化も一種の方便のようなものではありますが、他のどの手法よりも、多次元空間の様子を人間が理解するのに強力な方法です。

ディープラーニングの限界から、最近では説明可能AI(XAI: explainable AI)という議論もされているようです。ユーザーの「なぜ?」という問いに、自然言語で回答してくれるような(まさにドラえもんのような)AIが理想形でしょう。

しかしながら、そこで「待った!」がかかります。そもそも知識(knowledge)というものが言葉で表現できるものばかりではないからです。それは60年代のパターン認識の研究(今日の機械学習アルゴリズムの先駆け)の段階からわかっていたことなんです。AIでなくても、人間でも、たとえば、人の顔を見て誰の顔か判断できたとしても、その方法を言葉で説明することなんてできないのです。

そのような言語以前の判断力を、マイケル・ポランニーはtacit knowledge(暗黙知)と呼んだのですが、残念ながら日本のマネジメント界では90年代にこれを大きく曲解して、似非科学的ナレッジ・マネジメントを流行させてしまった罪深き過去があります。

SOMは、人工ニューラルネットワークの観点から見ると、あるいはディープラーニングと比較すると、それほど高度なものではないのですが、この非言語的なナレッジを可視化して、人間が理解するにはとても理に適った手法です。

ほとんど企業の実践的な問題解決には、ViscoveryのSOMテクノロジーが役に立ちます。

 

 

 

投稿者について

Kunihiro TADA administrator

マインドウエア総研株式会社・代表取締役。テクニカル・ライター、技術翻訳家。1982年より情報通信/ニューメディア等の技術者向け先端技術セミナーの企画・運営に従事。LAN間接続(インターネットの始まり)や電子メールなど、今日のITの基礎となる技術テーマを取り扱った。1985年より大手コンサルティング会社で新製品・新事業開発のコンサルティングに従事。とくに1986年に開催したAIチップ・セミナーは、ファジィ推論チップ等の当時の最先端のAI技術を国内に紹介して、AI/ファジィ・ブームの契機となった。1990年からフリーランスのテクニカル・ライターとして、マルチメディアおよびCG関連の解説記事を執筆。1994年からは活動基盤を出版からインターネットに移して、1997年には「脱東京」を果たす。2000年にViscovery SOMineを翻訳し日本代理店となる。2003年よりXLSTAT、およびHuginの日本代理店。