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自己組織化マップとベイジアンネットワーク

Hugin 8.0では、ダイナミック・ベイジアンネットワークによるタイムスライス・システムの推論がサポートされました。オブジェクト指向ネットワークを用いると、同様なことは従来からできるにはできたのですが、これが格段に簡単にできるようになりました。
マインドウエア総研としては、これを利用して、自己組織化マップ(SOM)とベイジアンネットワーク(BN)を併用したソリューションの展開をさらに推し進めて行きたいと考えております。マインドウエア総研の強みは、SOMデータマイニングのトップランナーであるViscovery社と、ベイジアンネットワークのパイオニアであるHugin社の両方と密接な関係を長年築いていることです。これらの技術をミックスすることで、他社にはできない問題解決を提供することができます。
SOMによるセグメンテーション・モデル
SOMによって複雑なデータのセグメンテーション・モデルをスマートな形で実現できます。たとえば、さまざまなセンサーの計測値からプラントの運転状態とか、自動車の走行状態、あるいは人間の健康状態などを判断するモデルを作成できます。もちろん、顧客の購入履歴やWebの閲覧履歴から顧客をセグメンテーションすることにも利用されています。
こうして作成されたセグメンテーション・モデルを実行システム(業務システム)に展開するには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、Viscovery社が提供するViscovery One(2)One Engineで判断を実行する方法です。これは毎秒10万件の決定(判断)が可能です。もう1つは、Viscoveryで作成したセグメンテーション・モデルを、HuginのBNモデルに翻訳して、Hugin Decision Engineで推論を実行する方法です。
Viscovery One(2)One Engineの場合は、判断を実行する際に使用するデータに欠損値が少なく、高速な処理が求められる場合に向きます。Hugin Decision Engineの場合も欠損値が少ないほど、より正確な推論が可能なことは言うまでもありませんが、欠損値が多い(得られる情報が不確定な)場合でも、確率的な表現によって、それなりの結果が得られるというメリットがあります。
ダイナミック・ベイジアンネットワークによる時系列予測
SOMやニューラルネットワークでも、計測値の時間的変化を一定幅の時間でスライスする”時間窓”と呼ばれるテクニックを用いて、予測モデルを作成する方法はよく知られています。たとえば電力需要の変動を曲線のパターンによって予測しようとする論文がいくつも出ています。しかし残念ながら、単一の系列の曲線パターンだけで予測を行うそれらの研究には、あまり科学的根拠がないと言わざる得ません。
SOMを使用する場合は、やはり複数の計測値からシステムの状態を判断するモデルを作成する方が適切な使い方です。それらの計測値が時々刻々変化していくとき、各時点の状態がSOMのマッチング・ノードとして現れます。すなわち、時々刻々、SOMのマップの上をマッチング・ノードが移動していきます。
SOMの上では、マッチング・ノードが移動することで、状態遷移を観察することができるのですが、このSOMモデル自体には”時間”の概念がありません。そこで、この状態遷移をダイナミック・ベイジアンネットワークで表現すればよいわけです。
これにより、過去から現在の複数の時間ステップでの状態から、次の時間ステップでの状態をダイナミック・ベイジアンネットワークにより、確率的に推論することが可能になります。
多変量データの時間的変化から未来を予測したい問題をお持ちの企業様は、ぜひマインドウエア総研にご相談ください。