多重比較検定を伴う一元配置分散分析(one-way ANOVA)はXLSTATでどのように実行しますか?
データと結果のExcelシートはこちらからダウンロードできます。データは、歯を白くする効果を測定するために4つの新しい歯磨きペーストの製法が6人の患者でテストされた実験のものです。すべ ての患者はあらかじめ同じ歯磨きペーストを使いました。
XLSTATのANOVA機能を使って、我々は製法によって結果が異なるかどうか、そして、どの製法がもっとも効果的であるかを発見したいわけで す。 このケースは、1つだけの因子-製法-であり、repetitionsの数が各製法について同じなので、one-way balanced ANOVA(一元分散分析)です。
XLSTATを開いて、 XLSTAT|Modeling data|ANOVA コマンドを選択するか、"Modeling Data" ツールバー(下図)の対応するボタンをクリックしてください。

ボタンをクリックすると、ANOVAダイアログ・ボックスが現れます。Excelシート上のデータを選択してください。 "Dependant variable"(従属変数)には、ここではWhitenessが対応します。それはその後の"Qualitative variable"(質的変数)である歯磨きペーストの製法の効果によって説明したいばらつきです。 両方の変数についての列タイトルを選択したので、 "Column labels"オプションもクリックします。データがANOVAの正規性の仮定に従うかどうかを発見したく、また、はずれ値を識別したいので、 "Residuals"オプションを有効のままにしておきます。
ANOVAオプションでは、constraint (強制)オプションを "a1=0"のままにします。それは, T1の歯磨きペーストが基本的な漂白効果を持っているという仮定を用いてモデルを構築したいということを意味します:T1の平均が最低だということがわ かっており、それは他の効果が正であるだろうことを保証します。 ANOVAでモデルにconstraintを適用することは、理論的な推論のために必要ですが、結果(適合、予測の良さ)には影響しません。それが生ずる ただ一つの違いは、あなたがモデルを書く方法にあります。
Tukey検定とDunnett検定を実行できるようにするために、"comparisons"(比較)オプション を有効にします。

"OK"ボタンをクリックすると計算が始まり、そして、どの多重比較検定を使いたいかを指定します。我々はTukeyのHSD検定とREGWQ法、 Dunnettの検定を選択しました。後者については、コントロール・グループとしてT1を選択しました。我々は5%のリスクで差を検定することにしまし たが、じつは、差はありませんでした。多重比較検定の複雑な問題についてより詳しく理解するためには、解説書のページにリストアップされたJason C. Hsuの著書を推薦します。

"OK"ボタンをクリックすると、計算が再開され、結果が表示されます。
XLSTAT による1番目の結果は、適合の良さの係数で、R (相関係数)、R2(決定係数)、adjusted R2(修正決定係数)です。決定係数(ここでは0.56)は、モデルされた変数(白さ)のバラツキのどれだけが説明変数(歯磨きペーストのタイプ)によっ て説明されているかの公正な判断を与えます。我々のケースではバラツキの56%が説明されました。残りの44%は、利用可能でない他の変数に隠されてお り、モデルが”ランダム効果”に隠れています。
以下に見る分散分析表は、とても重要です。これは、説明変数がモデルに有意な情報(帰無仮説H0)をもたらすか否かを決定するところです。言い換え れば、母集団を記述するのに平均を用いることが有効かどうか、あるいはグループ(またはカテゴリー)での情報が重要かどうかをあなた自身で調べる方法です。

ここで使われる検定は、Fisherの F検定です。このケースでのF値に対応する確率は0.0009が与えられ、それは帰無仮説(歯磨きペーストの製法の効果がない)は正しくないという結論に 0.09%のリスクがあることを意味します。そして、患者の歯の白さに歯磨きペーストの製法の効果があることを確信を持って結論づけることができます。 R2はあまり良くないこと(0.56)、白さのバラツキのより良い説明を提供している情報のいくらかが失われていることを意味することに注意してくださ い。それはさほど珍しいことではありません。
下記の表は、モデルの詳細です。この表は予測が必要なときに役立ちます。今回のケースでは、これはあまり役立ちません。我々はすでに歯磨きペースト T2が、95%の信頼区間が0を含む効果を持っていることに気づくことができます。それはT2がT1と著しく異なるという証拠がないことを示しています。

次の表は残差です。削減された残差(標準化残差)では、とりわけANOVAモデルの仮定が与えられた残差は、正規分布しているはずです。これは、と りわけ、残差の95%が区間[-1.96, 1.96]の中にあるはずだということを意味します。この区間の外側のすべての値は、潜在的なはずれ値であるか、正規性の仮定が正しくないことを示唆しま す。ここでは、 -2.8279に等しい残差を持つ1つの強いはずれ値(13番目のオブザベーション)があるようです。その差を説明するために、まず正しい歯磨きペースト が13番目の患者に与えられたことを確認するべきで、次になぜその製法への反応が、他の患者と同じでなかったのかを理解しようとするべきです。残差のヒス トグラムは、期待された範囲の外にある残差を素早く可視化することができます。


さて我々は最初の質問、処置の間の有意差があるか、そしてこの差はどのように分類されるか?の答えを得ました。次の表に示されるように、Tukey のHSD (Honestly Significantly Different) 検定は、平均間のすべての一対の差に適用されます。我々が選んだ5%のリスクは、平均間の標準差に比較される棄却限界値qを決定するために用いられます。 他のソフトウェアはXLSTATと同様、d値を結果として与えます。 (T1, T3) と (T2,T3)の2つの対が有意差として現れます。その平均とカテゴリーは、したがって、この分析に基づいて分類されます。他動性 (transitivity)がないことがわかります。(>は有意差でないことを意味し、<> は有意差を意味します): T4 > T3 T4 > T2 but T2 <> T3

REQWQ法は、さまざまな結果(下図)を与えます。それは比較法を用いる場合、とても慎重であることが必要なことを示します。このケースではカテ ゴリーの3つの対は異なります(T1とT4は、この方法によって有意差であるように見えます)。グルーピングは、3つつの重なったカテゴリーのグループを 与えます。次に我々は、コントロール・カテゴリーによって各カテゴリーを比較するためにDunnettの検定を実行します。Dunnett'の検定は、 REQWQ法によって、T1 と T4 カテゴリーが有意差であることを肯定します。


結論は、4つの歯磨きペーストの製法は、白さにおいて有意差を示すということです。T1の歯磨きペーストは、すでに市販されているので、白さの有意 な増加を示すのは、T3かT4です。それが新製品として選択されるべきです。
