XLSTAT-Timeを用いて、どのようにして時系列にARIMAモデルをあてはめますか?
このチュートリアルで使うデータと結果を含むExcelシートはこちらからダウンロードできます。このデータはBox, G.E.P.およびJenkins, G.M.共著 (1976年)『Time Series Analysis: Forecasting and Control』(Holden-Day, San Francisco)から得られたものであり、1949年1月から1960年12月までの月ごとの国際便の搭乗者数(単位:千人)を表わしています。

このチャートから、全体的に上昇トレンドがあり、毎年よく似たサイクルがくり返されており、また年内の振幅は時間とともに増大していることがわかりま す。ARIMAモデルを適合する前に、この変動を安定化させる必要があります。そのため、対数変換を用いてこの系列を変換します。下のチャートでは変動が減少していることがわかります。

これで、データのトレンド効果と年間季節変動を取り除くのに適切と思われるARIMA(0,1, 1)(0,1,1)12 モデルをあてはめることができます。
XLSTATを開き、XLSTAT / XLSTAT-Time / ARIMA コマンドを選択するか、または XLSTAT-Timeツー ルバーのArimaモデル・ボタン (下図参照)をクリックします。

ボタンをクリックするとARIMAダイアログ・ボックスが表示されます。Excelシート上のデータを選択します。時系列:は分析対象の系列、つまり搭乗者数(乗客)に当たります。ARIMAモデルを最適化する前に系列を自動的に中心化するよう XLSTATに指示したいので、中心オプションは有効のままにしておきます。データを選択し、(p,d,q)(P,D,Q)s 階数の値を入力してARIMAモデルの種類を定義します。サイクルは毎年 (12ヶ月ごとに)くり返されているように見えるため、系列の期間を12に設定します。最後に、モデルをあてはめるためではなく、モデルを検証するにのみに12個の値が用いられるようにするため、ボックスに「12」と入力します。選択されたデータの1行目には変数のヘッダーが含まれているため系列ラベル・オプションを有効にします。

「OK」ボタンをクリックすると計算が開始されます。次に結果が表示されます。系列の統計量の概要に続いて、適合の品質を評価したり、このモデルの適合度をその他のモデル (もしあれば)と比較したりすることを可能にする、さまざまな基準を示す表が表示されます。

次の表はこのモデルのパラメータを示すものです。95%信頼区間に0が含まれていないため、MA(1)とSMA(1)パラメータは両方とも0から有意に差があることがわかります。信頼区間は、他のソフトウェアが通常表示するHessianを最適化して使用し、漸近法を用いて計算されます。モデルの定数は平均値の除去に由来するので固定されています。

ARIMAモデル式:
Y(t+1) = 0.001+Z(t-1)-0.333.Z(t-1)-0.544.Z(t-12)+0.181*Z(t-13)
ここで
Z(t)は白色ノイズN(0, 0.001)を、
Y(t)=(1-B)(1-B12)X(t)を、
またX(t)は入力系列を表わします。
X(t)系列の予測方程式は次のように与えられます。
X(t+1) = Y(t+1)+X(t-1)+X(t-12)-X(t-13)
A表は元の系列の値と平滑化した系列 (予測)を表わしています。モデルの制約のため、最初の13のオブザベーションの予測は得られません (予測は入力系列の値に置き換えられている)。グラフ表示しやすいよう、時間変数「T」が作られていることに注意してください。最後の12個のオブザベー ションについて、検証モードで予測値が計算され、信頼範囲が得られます。ほとんどすべての残差(赤字)がマイナスであることに気がつきます。これは、予測モードのモデルが交通量を過大評価していることを意味します。

下のチャートでは、予測値 (検証)が極めてデータに近いことが視覚的に確認できます。

