プリファレンス・マップ

このチュートリアルは [Schlich P, McEwan J.A. (1992). Cartographie des Preferences. Un outil statistique pour l'industrie agro-alimentaire. Sciences des aliments, 12, pp 339-355] を参考にしており、Addinsoft開発チームとこの分野の何人かの専門家の間での意見交換によります。

我々は2つのタイプのプリファレンス・マップ(選好マップ)手法を区別します。

内的プリファレンス・マップ

この手法は、MDPREF (Multidimensional Analysis of Preference Data: 選好データの多次元分析)に相当し、オブザベーションを製品、変数を消費者とする 選好データ上で実行するPCA (主成分分析)に基づきます。データは、各製品の消費者が 行なったレーティング(評価)です。 このプリファレンス・マップは、オブザベーショ ンと変数のバイプロット(2次元または3次元)です。

選好マップの要約能力は、消費者数(解釈のための軸数が増大)によって減少するので、 必要な軸数を削減するためにノンメトリック主成分分析がときどき使われます。 ノンメトリック主成分分析は、 k 個(k=2 or 3)の最初の軸によって説明される分散を 最大化するようにデータの単調変換を含みます。この変換は、レーティングが順序的意味を 持つと見なされ、レーティ ング間の距離または比率は重要でないということを含意します。 軸を削減するために、消費者をグループ分けして、グループを変数として主成分分析を実行するのが好ましいかもしれません。

内的プリファレンス・マップは、ベクトルとして表現された消費者の好み、または消費者の グループの好みを識別するマップを生成することができます。

外的プリファレンス・マップ

この手法は、消費者によって示された好みを製品の物理化学的、感覚的、経済的な特徴と 関係づけることができます。このアプローチは、信頼できる基準を与えるので、消費者の 期待に応える製品の改良または創造に関わるマーケティングやR&Dチームに不可欠です。

この手法は、基準の系列によって製品を説明する補助表を必要とします。 内的プリファレンス・マップですることとは対照的に、最初のステップは、製品の特徴の基準上での製品のマッピングです。これは主成分分析(PCA), コレスポンデンス分析(CA)、または 一般化プロクラステス分析(GPA)を実行して得られます。この最初の可視化は、 センサリー・マップ(官能マップ)と名づけられています。 センサリー・マップ上の消費者表現の目的から、 PREFMAP法の適用によって、 我々は製品の特徴を説明変数として使って、製品に与えられたレーティングを各消費者(または消費者のグループ)についてモデルします。 全体のモデルは次式のように書かれます。:

Y = Si aiXi + Si biXi² + Sij cijXiXj

PREFMAP法は4つのサブ・モデルを使用します:

-ベクトル・モデル: bi と cij は null値です。モデルは超平面です。 このモデルは、オブザベーションをセンサリー・マップ上にベクトルとして表示することができます。 ベクトルの大きさは、モデルのR²に合致します;ベクトルが長い場合は、よりよくモデルを構成します。 消費者の選好度は、ベクトルの方向に進むほど増大します。選好の解釈 は、さまざまなベクトル(製品選好) 上に製品を射影して行なわれます。そのモデルの欠点は、塩辛さや温度などのいくつかの 基準を無視していることで、選好度は最適値まで増大し、それから減少します;
- 円形理想点モデル: bi は一定で、cij はnullです。 このモデルは超2次曲面に対応します。もし曲面が選好に関して最大値を持つなら 理想点とします。もし曲面が最小値を持つなら反理想点とし ます。円形モデルに よって、理想点や反理想点のまわりに選好分離円を描くことができます。
- 楕円形理想点モデル: cij はnullです。このモデルは超2次曲面に対応します。 この場合、選好分離線は楕円であり、理想点または反理想点への製品の距離の解釈はより 複雑になります。もし bi が異符号を持つなら、理想点や反理想点はありませんが、 解釈の微妙な鞍点のみがあります。
- 2次曲面モデル:このモデルは形が超曲面である完全なモデルに対応します。 このモデルはcijXiXjの特徴間の交互作用を考慮することができます。

XLSTAT-MXによるプリファレンス・マップの実行方法

以下の事例は、PREFMAP法を用いたプリファレンス・マップの作成方法を示します。 データと結果のExcelシートはこちらからダウンロードできます。データは次からなります:
- 消費者の受容性データ:99人の消費者が10種類の市販ポテト・チップス(クリスプ)のサンプルを評価。 これらのデータは、Schlich とMcEwanの記事 (1992)から得られたものです。評価は1から30に 離散化されています(30が最高の受容性)。これらのデータは、99 x 10 の表に格納されています。
-10種類のチップスの4つの質感属性と7つの香り属性についての8人の専門家に よる評価の平均。これらのデータは、Schlich と McEwanの記事 (1992)に基づいて、このチュートリアル の著者によって教育的目的のために模倣されて、10 x 11の表にされました。

訳者註:分析手順を図解したものはこちらです。



Step 1: センサリーマップの作成

我々はまず、10 x 11の表の上で主成分分析(PCA)を適用して、センサリー・マップを作成します。 これはチップスの2次元可視化を与えます。別途、主成分分析のチュートリアルがありますので、 我々はここではそれについて詳細に述べません。PCAのダイアログ・ボックスが 以下のように記入されました。

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表示オプションは以下のように設定されました。:

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専門家が用いたいくつかの基準は、相関円上での散らばり方から、やや冗長なようです(sweetnessはovercookedと負に相関しており、saltinessはartificialと正に相関しています)。

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ただし、チップスを投影したマップは、品質が良く(最初の2次元で69.3%の分散を表示)、製品が専門家によってよく区別されたことがわかります。

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PCAを用いて、2次元のセンサリー・マップ上に チップスを投影しました。 どの消費者がどの種類のchipsを好むかを知るために、マップ上に消費者をプロットする前に、見やすいマップを作成するために、消費者を均質のクラスタにグループ分けしたいと思います。



Step 2. 消費者のグルーピング

消費者の数が多いので、PREFMAP法の結果を解釈しやすくするために、我々は消費者を均質なグループに分けることにしました。我々は階層クラスタリング(AHC)を選択しました。AHCのチュートリアルは別途ありますので、ここでは詳しく述べません。AHCのダイアログ・ボックスは以下のように記入されました。

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"Center(中心化)/ Reduce(削減)"オプションは、消費者の評価尺度間の差を最小化するために有効にしておきます。切り詰めのオプションは、非有効にしておきます。

デンドログラムを見ると、9グループで作業すると良さそうです。

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そして、9クラスタを指定して、AHCを再実行します。ダイアログ・ボックスは、下図のように入力しました。前回と違うのは、打ち切りを指定することだけです。

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そして、分析の最後のステップのために、クラスタの重心を計算しておきます。この表は、 "Clusters' pref."という名前の新しいシートに(編集/形式を選択して貼り付け で 行と列を入れ替えるオプションで)コピー&ペーストされます。

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Step 3: PREFMAP法を用いてプリファレンス・マップを作成

このセクションでは、我々は、2次元の因子空間内のチップスの座標と、標準化レーティングで要約された9クラスタの消費者による評価を用いて、PREFMAP法を適用します。

Preference Mapping ダイアログ・ボックスを有効にするために、XLSTATを起動し、そしてXLSTAT|XLSTAT-MX|Preference Mapping コマンドを選択するか、XLSTAT-MX ツールバー(下図)の対応するボタンをクリックしてください。

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ボタンをクリックすると、Preference Mappingダイアログ・ボックスが現れます。Excelシート上でデータを選択してください。"Attributes (Y)"には9クラスタの評価が対応します。 "Configuration (X)"は主成分分析(PCA)から得られたチップスの因子得点に対応します。我々は2次曲面モデルを使うことにしました。

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4つの可能なモデルの中で最もよいモデルを選択するために、 "オプション タブ"で、 0.1 (10%) 有意水準でのF-比検定を用いました。それは、より複雑なモデルが、0.1より低いp値を持つF-raioでない場合は、より複雑なそのモデルは棄却されることを意味します。

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プリファレンス・マップのベクトルの長さをモデルの係数で決定するように選択しました。

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我々が得た結果(下図)は、クラスタ1,5,8,9についてベクトルモデルが最も良いモデルであることを示しています。クラスタ4と7については、理想点を得ませんでいたが鞍点を得ました。鞍点は、選好がより速く増大(また反対の方向に減少)する前の、選好の変動が低いところのしきい値を表します。 クラスタ2については、反理想点があります。反理想点は、そのグループで最も低い選好に対応します。クラスタ3と6には理想点があります。理想点は、クラスタ内の消費者について、2次元空間内で最も高い選好に対応します。
(訳者註:この箇所は文章と結果が一致していないと思われますが、表の見方の解説として意味を汲み取ってください。)

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分散分析の表を見ると、クラスタ2,3,4,6についてのみモデルが有意であることがわかります。クラスタ1については、2次曲面モデルが維持されていますが、10%有意水準で見ると有意ではありません。クラスタ2については、最も良いモデルは、円形モデルです。これは有意で、反理想点を持っています。この点は、クラスタ2の消費者の最も悪い選好に対応します。

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プリファレンス・マップは、結果を素早く解釈することができます。プリファレンス・マップとPCAの相関サークルの両方を見ると、クラスタ3の消費者は、meltingでなく、overcookedすぎず、crispyすぎないチップスを好むことがわかります。クラスタ6の消費者は、crispyなチップスを好み、greasyなチップスを好みません。クラスタ2については、彼らが好むものを知るのは難しいのですが、saltyですべての基準で平均的な(点が原点に近い)チップスを強く嫌う(反理想点)ようです。

注意: 理想/反理想/鞍点が、プロット領域からはみ出して表示できない場合は、マップ領域を広げるために、ダイアログ・ボックスの"チャート"タブで"領域制限"の値を増大させることができます。

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等高線プロットは、どれだけのクラスタが、プレファレンス・マップの与えられた領域での平均より高い選好を持つかを知ることができます。(これはすでの適合モデルを使用して決定されます)。

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両方のマップを重ね合わせることができます。そうするには、プリファレンス・マップをコピーして、等高線プロットの上に貼り付けます。そして、プリファレンス・マップを右クリックして、書式設定/パターン/領域および輪郭の色をなしに変更します。そして、そのプリファレンス・マップを等高線プロットの上までドラッグして、プロット領域の輪郭が等高線プロットの端に一致するまで、サイズを変更します。

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消費者のさまざまなグループの選好順位が表示されます。(選好度の低い順に並んでいることに注意)

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earthyで、sweetでなく、saltyな味でないcrisp 4は、クラスタ1、4,6,7,8には全く好まれないことに気づきます。Crisp 8は、クラスタ9を除くほとんどのクラスタでで好まれます。マーケティングとR&Dチームは、新製品を正しい方向に向けるために、この情報を考慮することができます。

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