D-分離

Huginの実行モードでは、ネットワーク中の d-関係 の決定が実行できます。これは ネットワーク メニューのD-分離サブ・メニューにある操作を用いて実行できます。このサブ・メニューは、図1に示します。

図 1: D-分離サブ・メニュー

d-分離の操作が実行されると、ネットワークのビジュアルな表現が、操作の結果を表示するために変わります。ノードは、この操作でのそのノードの役割によって、5種類で表現されます。

   ソース・ノード。つまり、すべてのターゲット・ノードへの関係性が決定されるノード。
   接続されたターゲット・ノード。つまり、ソース・ノードは、このノードにd-接続されています。
   分離されたターゲット・ノード。つまり、ソース・ノードは、このノードからd-分離されています。
   インスタンス化されたノード。ソース・ノードへのd-関係が決定されていません。
    "anonymous" ノード。つまり、上記のいずれでもないノード。

D-関係を表示

ネットワーク中の2つのノード間のd-関係をテストするもっとも速い方法は、ノードを選択して、 "D-関係を表示操作を選ぶことです。これは、2つのノードが挿入されたエビデンスを仮定して、接続されているか分離されているかをマークします。図 2 は、挿入エビデンスなしでノード "Has tuberculosis" と "Has bronchitis" を選択したときのこの操作の結果を示しています。

図 2: ネットワークにエビデンスが挿入されていない場合、
"Has tuberculosis" と "Has bronchitis" は d-分離である。

D-分離を表示

この操作は、現在 設定されたd-分離 機能を実行した結果を表示します。d-分離がまだ設定されてない場合、デフォルトの設定が使用されます。この設定は、現在の選択ノードをソース・ノードとして、他のすべてのノードをターゲット・ノードとして使用します。エビデンスは、定義されません。 

この設定で十分な場合もありますが、d-分離操作のカスタム設定を作成することをお薦めします。これは、d-関係を計算するときに考慮に入れるエビデンスを定義できます。さらに、d-関係が決定されるノード数を制限することができます。これは、大規模なネットワークの実行時間を大幅に削減します。

図 7 は、 こちらに記述された設定によって、chest clinic(胸部臨床)事例で"D-分離を表示"操作を選択した結果を示します。

 D-分離を設定

"D-分離を設定" 操作は、 "D-分離を表示"を選択したときに使用するカスタム設定を作成します。この操作を選択すると、ソース (図3)、ターゲット (図 4)、インスタンス化 (図 6) ノードが定義される設定パネルが現れます。

現在のd-分離設定が保存されていることに注意してください。それは、ネットワークが編集され、再コンパイルされても、その設定がまだまだ保持されていることを意味します。明らかに、設定は、ネットワークが保存されて再読み込みされても保持されています。

図 3: ソース定義。ここでは、操作が実行される各回で、同じノードが
ソース・ノードとして使用されるように選んでいる。

ソース・ノードが定義されると、次のいずれを選べます:

図 4: ターゲット定義。ノードのカスタム設定が、ターゲットとして選ばれている。

ターゲット・ノードが定義されると、使用可能な各グループ("グループなし"も含む)が、ターゲットとして選べます。ただし、カスタム・グループを定義することも可能です。これを選んだ場合、現在選択されているすべてのノードが、 "選択済みを追加" を選んで、カスタム・グループに追加できます(設定ウィンドウを開いている間、選択を変更できることに注意)。ノードは、1つまたは複数のノードを選択して"消去”を押すと消去でき、"定義"ボタンを押して追加できます。これは、簡単にいくつものノードを選択できる "カスタム・グループ" パネル (図5に表示)を呼び出します。

図 5: カスタム・グループ・パネル。利用可能なノードを左側、選択されたノードを右側に表示。.

ソースまたインスタンス化ノードのいずれかとして選択されたノードは、 "カスタム・グループ" パネルからはアクセスできないことに注意。

図6: インスタンス化ノードの定義。
グループに属していないすべてのノードが、インスタンス化とみなされる。

"インスタンス化"の定義は、 "ターゲット"の定義とまったく同様に動作します。

上記の設定で"D-分離を表示"を選択した結果は、図7に示します。

図 7: 胸部臨床事例での"D-分離を表示"実行の結果。

 


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翻訳者:多田くにひろ(マインドウェア総研